聚楽―太閤の錬金窟(グロッタ) (新潮文庫)

聚楽―太閤の錬金窟(グロッタ) (新潮文庫)

まさにグロッた(またそんな感想かよ)。伝奇小説に必要不可欠な要素とはいえ、ここまでのグロはなかなかないですね。面白かった。前作を読んでからのほうがよかったですね。この作者の名前がなんか正宗白鳥くらい狙いすぎな感じがして敬遠してました。秀吉、家康にまとわり付く信長の影。多くの人がしたことのない視点から天下人を描写しています。文章はやや読みにくいですね。漢字にルビ(オランダ語スペイン語?)を多用することによって歴史の色気を失わずにキリスト教の話を盛りこめています。そうきたかぁ、そうつなげるかぁ。とうなりながら読むことになります。意味の語られることのない表現が多々ありますが、まあ、そこは小説ですから。全体の面白さから許容範囲です。楽しみな作家です。