司馬遼太郎

国盗り物語(一) (新潮文庫)

国盗り物語(一) (新潮文庫)

いつ以来でしょう?
大盗禅師以来なんで、そんなに離れてはいないとは思いますが、
やはり中学時代はまった作者ですから
何かそのころからしばらく読んでいないような気がしてなりません。
当時は次々読んでいくうちに
「おもしろいけど当たり前すぎてねぇ・・・」
というような感想を持ったものでした。
たしかに、高橋克彦半村良のように伝奇的な刺激には欠けるかも知れませんし、
高田崇史のように推理的要素もあまりないですが、
それらとの対比で再び司馬作品に感動できるようになったと思います。
特に「なぜこの人間がこのように考えたか」ということを考えるようになりました。(以前この考え方ができなかったのが今となっては恐ろしいですが)



これは齋藤道三織田信長の話ではなく、
明智光秀の話であると考えてよいと思います。
多くの人が前二者の天才に感心するのでしょうが、
共感はできないのではないでしょうか?
光秀には共感できる部分が多くあるように思います。
多くの能力を持ちながら天下人の器ではなかったということを
一流の官僚で一流の軍人ではあったが、三流以下の政治家だったと
かかれてますが、演技演出ができなかったということなんでしょうか?
連歌などの教養を身につけるためにはそういう素養が必要な気がするんですが。
やっぱり人間を相手にするってのは大変ですよね。。
ちょっと前ならこんな感想を持たなかっただろうなぁ。
っていう自分の変化に気づかせてくれる名作でした。
ということで。









やっぱ細川藤孝すげぇ。